時流を読む「株式会社ミュートス」のヘルスケア領域におけるIT戦略Ⅰ

SIer・システム開発・ソフトウエア・ITなど、様々な呼び方があるが、その中でもベンチャー企業として、左記の事業を行っている企業は我が国にも大小合わせると、数えきれない数の会社が犇めいている。新聞の株式欄を見ると、「情報・通信」欄にそれらの企業名が並んでいるが、数年前までは「サービス」欄に数社程度が並んでいただけであったが、情報社会の到来により、コンピュータも浸透するに従い、様々なITを駆使したビジネスモデルを持った企業も増え、特にインターネットの登場により、その世界は大きく変化してきたと言える。ITバブルに登場した多くの企業もまさに時代の流れによって誕生し、大きく成長した企業・衰退した企業・鳴かず飛ばずの企業など、ソフトウエア業界の歴史を見ると今後も確かに成長産業であると言えるが、参入会社も多いこともあり、すべてが右肩上がりではないという現実も事実として存在している。その様な業界自体の環境の中、大阪市にある製薬業界を事業ドメインとしたシステム開発で、外資系や大手SIerが参入していた領域にベンチャー企業として注目を浴びている株式会社ミュートスの代表取締役 佐藤正晴氏にIT業界及び株式会社ミュートスの事業戦略について話しを聞いてみた。

■情報サービス産業について
私が大学を卒業して入社した会社は株式会社CSK(現SCSK)でした。入社当時は業界で最大手の独立系ソフトウエアの会社でこの業界で東証一部に上場をを果たしていた企業では我が国で最初の企業であったと記憶しております。当時はインターネットなどのインフラは普及しておらず、大型の汎用機が主流であり、パソコンはまだどの企業も高価なものでしたので、普及しておりませんでした。大企業においてもワープロ専用機が数台程度あった企業が多かったのではないでしょうか。その当時、ダウンサイジングという言葉の広がりと共に大型汎用機からオフコンに、オフィスでは電話回線を専用線としてコンピュータに接続され、Windows3.0の登場・Windows95の登場と共に、オフィス内においてもパソコンの普及が目まぐるしく増えていったのを覚えております。当時の株式会社CSKでは主に大企業向けのシステム開発を主に技術者の常駐サービス(SES【System Engineering Service】)で事業拡大をしていた企業でしたので、人事給与システム・経理財務会計システム等の基幹管理システム・生産管理システム・物流管理システム・販売管理システム・などのシステム開発及び保守の技術者支援として、SG・PG・オペレーターと呼ばれる社員が持てはやされていたのを覚えております。当時、株式会社CSKの故大川功氏は、情報化の流れが更に急激に日本社会においても進行し、ソフトウエア技術者のニーズは今後ますます拡大されることからソフトウエア技術者の確保については近々の最重要課題である、と述べていたのを覚えています。株式会社CSK自身、コンピューターシステムアカデミー(CBA)という教育機関を社内に設けておりましたし、東京都の多摩市に「CSK情報教育センター」を自社ビルとして作り、一人の社員として情報社会の到来とコンピュータ業界の将来性について期待を胸にしていたことを覚えていた、という。
情報サービスの市場規模は当時数兆円程度であったと言われており、2012年前後は20兆円を超えておりますので、事実として短期間で拡大した、つまり「情報化の波」が到来していたと言えるのではないでしょうか。一方、情報サービス会社は当時は数千社から現在では約3万数千社まで拡大をしておりますが、何故か社数で言うと2010年から急激に倍増しており、そのタイミングはリーマンショックの時期と一致しており、偶然にしても違和感を感じるところではないでしょうか。ここから予想できることは、事実として社数の増加に伴い、情報サービス産業の売上規模も頭打ちになってきていることから、市場が伸びず、「成長産業」から「成熟産業」「停滞産業」に移行している時期であると予想できる。では、何故リーマンショックの時期と情報サービス会社の増加が一致しているのだろう。
振り返ればリーマンショックの時期は情報サービス業界も打撃を受けた時期でもあり、売上の低迷の時期でもあった様に、開発技術者の多くが職を失った時期でもあった。2000年のITバブルの崩壊以降若干の社数の低減があったものの、増加を続け、2008年のリーマンショック以降も社数は増加し、2010年以降になって急激に更に倍増している。又、社数の増加は産業自体の売上が低減する大きな要因になっていると言える。社数が増えると言う事は、売上を確保するために、受注時において、安価な方向にどうしても舵を切ることに繋がる、労働集約型の事業の大部分は技術者の人件費である。利幅を下げると言う事は、給与の低下又は高給が期待できない環境下におかれやすくなる。情報サービスの市場の「成熟化」はIT技術者の増加というよりも情報サービス会社の急激な増加があったと言う方適当なのかも知れない。

■離職したIT技術者が情報サービス会社を増加させた?SES【System Engineering Service】が原因か?
情報サービス会社の事業の多くがSESという事業モデルを柱にしている。つまり技術者派遣である。SESは一定の技術スキルを有したある程度の数の人材が集まれば情報サービス会社を設立することは難しいことではない。「事業のシンプルさゆえのメリット」といえる。経験者が多ければ多いほど、高度なマネージメントや教育等の人材育成に費やすコストを掛ける必要もなく、事務所等の固定費にも多額のコストも不要であるので、比較的参入障壁が低い業界といえる。経験者した技術者がいれば、その技術者が持つスキルを求める派遣先があれば、それで契約が成立することになるので、リーマンショック以降、大手のSIerは社員の大量採用を控え、ビジネスパートナー会社(BP会社)と称し、SESを主に力を入れている中小の情報サービス会社を多く抱える構造に変化してきた時期に一致している。大手のSIerはBP会社から技術者を派遣させることで売上低迷時の雇用調整として求めたと言える。またインターネット等の目まぐるしい普及とスマートディバイス等、新しいコンピュータ機器の登場により、複雑なアプリの開発やインターネットの技術を活かしたメディアビジネスの登場、e-コマース・e-プロモーション・e-マーケティング・SNS・ゲーム等、IT分野の市場が大きく変化するに伴い、技術者に対するテクニカルスキルも多様化され、大手のSIerは社員にその多くを求めるよりもビジネスパートナー会社から適合する技術者の調達することで事業の拡大・維持を求めてきたと言える。

■情報サービス会社が生きる道
半世紀近い情報サービス業界が現在直面していることは、
? IT業界の多様化
? 情報サービス業界の成熟化と多様化したIT業界の拡大
? SES事業モデルの終焉
? クラウドサービス拡大
? マーケティング力を持つ企業の優位性
という事になり、労働集約型の典型であるSESを主にしている情報サービスは淘汰されてゆくといえる。
従来の情報サービス会社は、システム開発という求められるニーズが既に多くあり、事業構造上の宿命により技術者を多く抱えることで売上・利益が担保されることになるため、営業力・マーケティング力が元々弱い企業体質・業界体質であると言える。多くの技術者はSESと称する契約により顧客に派遣されているケースが多いため、技術者が提案営業をすることも非常に限られており、BP会社にいる技術者であれば更にその機会も限られてしまう。また、技術者自ら提案するという環境にないため(それは営業の仕事であると考えているケース)企業体としてマーケティング力に乏しい企業が多い。又技術者自ら提案ができたとして、顧客内での開発案件の延長線にすぎず、大規模な提案・新しい提案ができる技術者はある程度限られてしまうのが現状ではないだろうか。加えて、一つのシステムを一から構築し、多くのコストを掛ける環境では無くなってきているのも更に情報サービスの業界に打撃を与えていることが背景になる。それはクラウドサービスの登場により拍車が更に掛る事態になっている。パッケージ的な要素を持ちながらインターネットの技術を活かすサービスであるため、労働集約型の典型であるSESではコストパフォーマンスに大きな乖離がある。又顧客側も大きなコストを掛けて自社でシステムを構築するのは低迷する国内景気を背景に敬遠される傾向が益々強くなってきており、クラウドサービスへのシフトが更に加速されると思われる。では、情報サービス会社の今後はどうすれば良いだろうか。企業規模の大小にかかわらず、又企業規模が小さい企業であればこそ、「人月」という呼称のシステム開発から早期に脱却することが重要であると考える。このことは多くの情報サービス会社にとって、特に老舗の企業にとっては大きな障壁になるのではないだろうか。

■情報サービス会社が行える施策
営業力・マーケティング力が元々弱い企業であっても、元来システム開発会社であれば技術者がおり、SESであってもプロダクトを開発した成功事例があれば、そこから自社プロダクトを産み出すことが近道である。つまり「外部の成功事例の活用」である。高度なものではなく、幅広く顧客に受け入れられるプロダクトをテンプレートにし、それをベースに顧客と共に新たに一緒に作り上げて行く営業手法に切り替えることが安価で近道であると思われる。株式会社ミュートスの場合も立上当時はSESを主にした事業モデルであった。そこから製薬会社向けのSFAシステムを開発する機会に巡り逢い、独自のプロダクトを有することになった。つまり、「MR-SFA」がそれにあたる。「MR-SFA」は一つの成功事例を軸に横展開させる過程において常に「MR-SFA」をその時に顧客ニーズ・時流に応じて変化させ、バージョンアップを繰り返したプロダクトである。完全なパッケージではなく、半スクラッチ・半オーダーメイドのプロダクトである。「MR-SFA」の成功は導入した顧客の口コミなどで横展開され現在では18社となり、1件あたりの平均単価は数千万円〜億円となっている。現在では「MR-SFA」と連携する仕組みとしてプロモーション事業にも注力を行い「CURASAW」「EAKS」というオリジナルのクラウドサービス(WEBプロダクト)も自社にて運用しており、医師が所属する団体への導入が決まっており、新なステージに向け事業展開をスタートさせている。

株式会社ミュートス
http://www.mythos-jp.com/

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